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井沢 孝

コンサートやライブ、舞台、イベントなどでPA(音響設備)を用いて音の調整をするPAエンジニア。
井沢孝さんは、PAエンジニアとして多数のアーティストライブに携わり、第一線で活躍されています。

ライブから得られる感動に魅了されてPAエンジニアの道に進んだ井沢さんに、
これからのライブの行方、そして次世代を担う高校生たちへのメッセージをいただきました。

エンタメ業界の現状

どんな時代でも有観客ライブはなくならない!
お客さんが入ってこそ感動が生まれる現場。

 僕らは、ドームやアリーナなどの大規模コンサート、イベントでPA(音響設備)やレコーディングに関するさまざまな仕事をしています。2020年以降、コロナ禍の影響で業界の中でも先が見えないという声は確かにありました。ただ、僕が長年現場にいて肌で感じるのは、お客さんが入るライブや芝居などのショーは、絶対になくならないということ。こういったショーは、お客さんが入ってこそ感動が生まれるからです。アーティストのパフォーマンスに、お客さんが歓声や拍手、ときには涙で応えるーー双方向のエネルギー交換によって熱気に満ちたショー会場の雰囲気、そこから生まれる感動はなにものにも代えがたいものです。
 ヒビノサウンドではアーティストのどんな要望にも対応できるよう、最新機材をそろえ、多数のPAエンジニアによる現場運営を行っています。コロナ禍の活動制限で、一時は9割近くのライブがなくなりましたが、その間、社内のPAエンジニアたちは音響の基礎を学び直したり、新しい技術の習得に励んだりといった時間を持つことができました。2021年の春ごろからは、ライブやイベント開催がコロナ前の6、7割まで戻ってきていて、学び直した知識や習得した技術がいかされているという実感もあります。

井沢 孝

これから業界を目指す人へのエール

音づくりは技術だけではない。
“音の引き算”で、魅せるショーに!

 PAの世界では機材がどんどん良くなり、デジタル化も進んでいます。今の若い人たちはインターネットで機材の使い方を研究し、自宅でも練習できるので、音づくりは結構うまいんです。ただ、PAエンジニアの仕事で最も大切なのは、ショーの “うねり”をつくること。例えば、演奏される曲すべてを同じ音量に調整するのはちょっと違う。良い音をつくり出すだけでなく、ショー全体のバランスをみて時には引くこともできると“うねり”が生まれ、お客さんの心を動かします。こういった“音の引き算”が現場でできるようになってくると、めちゃくちゃおもしろい仕事です。この世界を目指すみなさん、頭でっかちにならず、柔軟性を持って現場に飛び込んできてください。いろいろなことに挑戦し、経験を積んでください。失敗してもすぐに頭を切り替えれば大丈夫。ぜひ、お客さんの心に響くショーづくりに携わってもらいたいです。

井沢 孝

PROFILE

ヒビノ株式会社 ヒビノサウンドDiv.

日本のPA業界における草分け的存在。国内トップクラスの機材保有量、経験を積んだオペレーター、エンジニアが多数在籍しており、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術力と運用ノウハウのもと、国内外メジャーアーティストのドームやアリーナ等の大規模コンサートの音響サービスを展開。

井沢 孝

1986年にヒビノ電気音響株式会社(現 ヒビノ(株))へ入社以来、国内外の多数のアーティストのハウスオペレーターとして活躍。
取締役 常務執行役員
コンサート・イベントサービス事業
ヒビノサウンドグループ担当