
楽器修理や製作、スタジオ貸しなど、地元の音楽好きなお客様の音楽生活をあらゆる方面からサポートする古民家型楽器店「音楽堂 平林」で働く宮本 夢也(みやもと ゆめや)さんにESP学園に入学を決めたきっかけや、学生時代の思い出、現在の仕事についてインタビューをさせていただきました。

【学生時代について】
―― ESP学園に入学しようと思ったきっかけはなんですか?
ギターを始めた時から趣味と呼べる物はギターしかない程のギター馬鹿だったのに加えて、ものづくりも好きでギターの構造に興味を持つタイミングが早かったと思います。地元の長野県がギターの生産量日本一であることもなんとなく知っていましたし、自分で雑誌を見ながら簡単なギターの改造にチャレンジしたりしていました。高校三年生の時の進路について考えるタイミングで、ふと「日本にギター工場があるのだからギター製作を学べる学校もあるんじゃないか?」と思い調べてみたところ、ESP学園を知りました。「大好きなギターを仕事にできる!」という可能性を知った以上、いてもたってもいられなくなり衝動的に地元を飛び出しました。
―― 学生時代、ためになったこと、印象に残っていることはありますか?
学生時代に学んだことの全てが基礎となっており、現在もその延長線上にいると思っています。1つの作業に対して「どういう方法を選択しようか?」と考えるタイミングが多い中で、いざという時に立ち返ることができる基本を学べたことが一番の財産です。こればかりは独学では身につけられなかったと思います。
―― 授業以外での学校生活での思い出や心に残っていることはありますか?
音楽の好み、ギターの好みが違うクラスメイト達と過ごすことで、自分の視野が広がっていく毎日が楽しかったです。放課後に楽器屋さんに行き、帰りはファストフード店でギター論を交わしたりしたのもいい思い出です。思えば授業内外問わず、常にギターのことを考えていた学生生活でした。
【仕事について】
―― 仕事で楽しいと感じること、やりがいはなんですか?
リペアやカスタマイズをメインに請け負っていますが、お渡しの際に心から喜んでいただける瞬間が何より達成感も有り嬉しい瞬間です。地域密着型の店舗ですので、地元のお客様がなにかあったら直ぐに駆け込んでご相談頂けることも年々増えており、頼りにされ、信頼していただいている実感を得られるタイミングは非常にやりがいを感じます。
―― 仕事で辛いところはありますか?
壊れた楽器のリペアは、まず症状を確認させていただいて作業内容や仕上がりを相談しつつ、お見積もりさせていただいておりますが、まれにご予算などの都合から修理を断念されてしまうケースもございます。「その後、あのギターはどうなったのだろう」「もっとほかに良い解決策を提案できたのではないか?」などとあとから色んな感情が頭を駆け巡り、仕事としてやらせていただいているからこその悩みだな…と痛感します。
―― 仕事を継続していく上で大切にしていることは何かありますか?
業界の中ではまだまだ若輩者であるということももちろんですが、向上心は常に忘れないように心がけています。販売に必要な新商品の知識の吸収や、更なる技術の向上に努める努力は欠かさないようにしています。ありがたいことに昨今はSNSなどで学園や業界の先輩の作業を拝見できる機会が多く、こまめにチェックしては盗めるところはないかと目を光らせています。また仕事外の時間でギターを弾くということも欠かさないようにしています。未だに年々ギターが楽しくどんどん好きになっていきますので、自ずと仕事へのモチベーションも高まる一方です。


―― 最後にこのお仕事に興味がある方に一言アドバイスをお願いします。
ありがたいことに、私は自分の一番好きでやりたいことを仕事としてやらせていただいております。「好きなことを仕事に」と言うフレーズは、ここ数年いろんな場所で聞かれますが、もちろん仕事ですので、好きなこととはいえ毎日順調で楽しく過ごせると言うわけではありません。好きだからこそ上手くいかない時にはその分落ち込むこともあります。ただ本気で好きなことであれば失敗も強いバネに変わりますし、上手く行った時の喜びもひとしおで「この道で生きていきたい」と言う気持ちが強くなります。一番好きなものを聞かれた時に迷いなく「ギター」と答えられる方は、自信をもって飛び込んでいただきたい世界ですね。
古民家型楽器店「音楽堂 平林」
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