
2018年度卒業の小林さんと2017年度卒業の長谷川さん。
ともにコンサートの企画制作を学ぶコースを卒業。(現在の音楽芸能スタッフ科企画制作コースに該当)
1学年上の長谷川さんが㈱プラチナムピクセルに就職。憧れの先輩のあとを追って小林さんも同じ会社に就職し現在はチーフと現場という関係性ながらも、同じ学校の先輩後輩で培われたチームワークでアーティストを支えています。
Q.まずは、どんな学生だったか教えてください。また、入学したい・スタッフになりたいと思ったきっかけはなんですか。
―長谷川さん
純粋に音楽が好きなライブキッズでフェスとか好きなアーティストのライブにはガンガン行ってましたね。学生時代は、ド定番ですがONE OK ROCKが好きでワンマンライブに行った唯一のアーティストです。それ以外にもSiM、coldrain、MAN WITH A MISSIONをフェスで追いかけていました。そういったアーティストからESP(ギターメーカー㈱イー・エス・ピー)について色々調べて、母体となっている学校があるということを知って入学しました。
―小林さん
長谷川さんと同じで、ONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONといったロックバンドが好きでした。自分の意志でライブに行った初めてのアーティストがMAN WITH A MISSIONだったんですよ。本来ならあのステージに立ちたいって思うと思うんですけど僕はこのライブをつくっているスタッフになりたいと思ったんですよ。なぜかそう思って。それが今の仕事を選んだきっかけですね。

―長谷川さん
自分もフロントマンとして、っていう考えがなかったんです。本当は高校を卒業してすぐに働くつもりでした。だけど、専門学校は出ようと思って音楽関係の仕事で何があるかを探していると、企画制作という仕事があることを知りました。いわゆる制作マンですね。それで、オープンキャンパスに参加して、ライブ作りを学ぶならここでチャレンジしようと思いました。最初は舞台監督を目指しました。当日の現場を仕切る、全部まとめてるのがかっこよくて。正直なところ、最初はアーティスト本人に会えるという下心はありました(笑)。最終的に、企画制作コースではライブ作り全体を取り仕切ることができると思って企画制作コースを選びました。一般の人があまり見ないようなクレジットにしか載らないような存在ですけど僕には魅力的でした。
―小林さん
もともと楽器がすごく好きだったので、ローディーコースかギタークラフト科で迷いました。ただライブ作りに携わりたいと思って、ローディーコースにしようと思ったんですけど、それよりも、ライブ作り全体に携わることができる制作の仕事に興味を持ちました。
Q.入学する前の学校やエンタメ業界の印象はどうでしたか。
―長谷川さん
入学前は業界で働いている知人に、(業界自体が)めっちゃ厳しいよと言われました。アーティストがいて、ライブがつくられているという漠然としたイメージはありましたが、どうやってステージがつくられているのかは全然わからず、業界に対して何も知識がなく知らないことばかりでした。
―小林さん
入学前は何もわからないし不安、それが全てでした。

Q.入学後、印象は変わりましたか。また、学生生活や授業はどんな感じでしたか。
―長谷川さん
いざ入学してみたら、授業が現場志向で疑問に思っていたことがどんどん解決できてとてもおもしろいと思いました。講師の方が現場に出ている方ばかりなので、授業ではない時間のたわいもない会話もとてもためになるというか、身になる話ができました。学生時代にはなんの話かわからなかったのですが、実際に業界で働いてみて先生の話の意味を実感しています。
―小林さん
厳しい先生もいたのでちょっと怖いなと思うこともありました。だけど、厳しいだけじゃなく、その先生からはいろんなことを学びました。現場のことを熟知しているからこその指導だったと今はすごく感謝しています。その先生とは今でもすごくいい関係を築けています。授業中は優しい大人で距離感が近く相談もしやすく気軽に話しかけられました。でも現場に出ると顔が変わる、というメリハリがありましたね。
―長谷川さん
みんな真剣だからこそ、クラスメイト同士バチバチする時もありました。授業は運営スタッフ・制作スタッフ・広報スタッフそれぞれのセクションに分かれて、まさに業界の座組※を組んでの実践的なものが多かったです。主体性が必要で、やりたい部門に手を挙げて決まっていきました。セクションごとにチーフを決めるんですけど、僕が全体を統括する制作チーフになった時もありました。
※座組・・・プロジェクトに参加するメンバー構成のこと。


―小林さん
制作チーフでみんなを取りまとめるの、大変ですよね。僕も1年生の時に、やりました。その企画の代表者なんで同級生からも先生からもいろいろ言われて。すごくつらい時もありました。
―長谷川さん
独りよがりになってた部分もあったかなと今では思うんですけど、やらなきゃいけないという責任感もありました。企画制作コースってローディー・舞台・照明・音響の各セクションに情報を投げなきゃいけないんですよ。
―小林さん
チーフはほんとに大変ですよね。
―長谷川さん
当時は年4回イベント開催があったので、常に何かしらのイベントが本当に大変でした。

Q.思い出に残っていることはありますか。
―長谷川さん
先輩のイベントによくお手伝いに行ってました。それもあって、仲良かったです。イベントが終わるたびにみんなで打ち上げしてました。
―小林さん
サマーソニックのライブ研修ですね。過酷なスケジュールだったんですけど、そのおかげでどの現場に行っても、「あの時頑張った経験がある」ってモチベーションになってます。
―長谷川さん
それみんな言うね。一番きつかったって。
Q.入社までの道のりを教えてください。
―長谷川さん
僕はキャリアサポートセクションでインターブレンドという制作会社のインターンに申し込んで現場に出てました。SHISHAMOとか日比谷公会堂の9mm Parabellum Bulletといったアーティストの現場ですね。そうした中で出会った方に、今の会社を紹介いただいて、入社しました。
―小林さん
就職先を決めるためにインターンを探している中でマネジメントに興味が出てきて、長谷川さんに何回か相談しました。本人を目の前にして言うのは恥ずかしいのですが、在学中に少しだけ接点があって尊敬していたんですよ、長谷川さんを(笑)。それで、先輩がいる会社で働きたいと思ってインターンに行きました。学校主催の説明会でも話を聞いて、第一志望の会社に入れました。

Q.現在の仕事について教えてください。
―長谷川さん
SILENT SIRENというバンドのアーティストマネジメントをやっています。会社の方針として、「自分の足で営業をまわれ」というところがあって。マネジメントと並行して、A&R※のような動きもしています。雑誌・WEB・イベント・TV・ラジオなどの営業もしながらアーティストマネジメントをやっています。小林くんの場合は、楽器雑誌の方たちとのつながりが大きいですよね。
※A&R・・・「アーティストアンドレパートリー」の略。レコード会社で担当アーティストの売り出しを行う仕事。仕事内容は多岐にわたる。
―小林さん
メインはSILENT SIRENのマネジメントです。細かくは、機材回りやグッズ回りの担当をしています。メンバーの現場対応もあります。あとはインディーズバンドを担当していたり新人発掘もしています。
―長谷川さん
新人発掘は常にやってるという感じですね。SNSを見ていていいなと思った方のライブに足を運んでみたり。おすすめのバンドを教えあったりしています。
Q.毎日忙しそうですね。
―長谷川さん・小林さん
好きじゃなきゃできないですね、この仕事は。じゃないと続かないと思います。先輩たちを見てそう感じました。ただ、好きだったら最高の仕事だと思います。
Q.仕事をするうえで大事にしていることはありますか?
―長谷川さん
横のつながり、ですね。それもですけど、食事会などいろんな会社の方と知り合う機会があると小林くんを連れて行きます。仕事する以上、大事にしていきたいつながりですね。
―小林さん
大前提ですけど、「楽しむ」ことです。

Q.今後の夢・目標を教えてください。
―長谷川さん
自分がマネジメントするアーティストをさいたまスーパーアリ―ナに連れて行く、ってことですね。そこでそのアーティストがステージに立っている姿を見てみたいです。その目標は、入社当時から変わっていません!PA卓から眺めて、涙したい(笑)。
―小林さん
大きなステージやフェスでトリを飾れるようなアーティストを自分で見つけてマネジメントすることです!
お二人からのメッセージ